女将のブログ

今期初「旅館の魅力を伝える」活動

先日、兵庫県夙川(しゅくがわ)にある大手前大学にて
90分間「旅館の魅力を伝える」講義をさせてもらえました。
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昨年も授業を一コマ頂き、同じ講義をしてきましたが
今年はコロナ渦でZOOMでの講義になる予定でした。
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しかし、ちょうど9月後半から大学生も登校するようになったとお聞きしたので、
やはり一方的な講義になるZOOMより登壇したほうが、
熱量が伝わるだろうと判断して出向くことになりました。
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昨年よりも3倍近い広い教室をご用意くださり、私はマスクをして。
教授より「マスクしての講義は小一時間もすると疲れますよ」と、
お聞きしてはいたものの予想以上に体力を消耗。
これまで感じたことがない、話すだけでなのに疲労感(TT)
話すたびにマスクが口に吸いこまれるように張りつくので、
まるで軽いマラソン状態(^^;)
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それでも大学に赴いて良かった!
意欲ある学生の質疑応答の時間が持てたからです。

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まだ20歳なのに同じ大学生と共同で民泊を経営する学生。
衣料品店でアルバイトしながら、将来のホスピタリティ関連の就職を希望する学生。
高いTOEICスコアを更新するなど、ブラッシュアップを事欠かない学生。
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世界状況が大きく変わり、特に現役の大学生にとっては
将来について大きな不安が付きまとっていることと思います。
それでも、今だからこそ取り組めることに知恵を出し、
努力している姿はとても輝いて見えました。

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老婆心ながら、これまでの講義で時折学生の皆さんに披露してきたことがありますが、
私は社会人になってしばらくしてから「世間・環境・人」の ❛せい❜ にしないように意識してきました。
何か不都合が生じたとき、困難に出くわしたとき、腹立だしい出来事があったときも

原因は多少なりとも自分が招いているんだと、その過程を振り返り必ず次に生かすようにしてきました。
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ついつい人は都合が悪くなると、自分以外になんとかして理由を見出し 自己保身に走りがちですが
謙虚な姿勢を持ち続け 精進していくことの繰り返しこそが、人格形成の一環を担い、且つ生涯の課題でもあると自戒しています。
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未曽有の環境下でも、そのような「せい」にせず、ひたすら前向きに たくましく努力し続ける若者を前にして、私自身も大いに鼓舞されました。
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現在、一般的なホスピタリティ産業と言われる職種は雇用継続もままならないような大変な状況下です。

講義内容にも追加しましたが、それでもこれらの職業は無くならない、と強く思います。
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どのような業態・職種も山あり谷ありで、全て順風満帆にはいかないもの。今はそのボトム期。
あと数年もたてば、衣食住の揃う現代人が次に求めるものは
やはりコロナ前と変わらず、自身のあらゆる「体験」であり、他人との心地よい「コミュニケーション」です。
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巧みな技術力と、高い人間性のある者は必ずどこかで引き合いがあり、このフィールドで活躍できるはずです。
今はその努力の過程が問われている時期なのかとさえ感じています。

大御所とイベントトーク

3月11日、主に新4回生を対象としたリクルート主催の「企業発見&選考準備LIVE」がインテックス大阪で開催されました。

畏れ多くも、ホテルニューアワジグループの木下学社長(左)と城崎温泉の西村屋の西村総一郎社長(右)とご一緒にトークイベントに登壇させて頂きました。

「ホテル旅館業は地方消滅の危機を救う新たなビジネスの形」という趣旨で
一、地方創生と旅館業について
一、インバウンド需要について
一、旅館業とキャリアについて
一、社長・女将に質問してみよう
という4つのセクションに分けて計90分。


当館は開催された就職活動のブースを出していないのですが、有難いことにお声掛け頂いた12月。その一回だけの簡単な打合せの後、ぶっつけ本番。「お三方なら本番でなんとかいけるでしょう」とのことで…


わずか50年で友好的買収で14施設もあるホテルニューアワジグループさん。
創業150年、城崎の村長をされていた創業者から今に至る西村屋さん。

お二人の話を伺うと、やはり確固たる信念の元に経営されていて、お題目の一つでもあった「地方創生」を真剣に考えておられ、着々と実行に移されている。

基本は台本のないフリートークなので、私はただただお二人の話の圧巻のスケールに慄き、これは私のような若輩者が出る場面ではないのでは…と恥ずかしささえも覚えました。

同時にこのような二度とないような貴重な機会の場に、指名いただいたことに心から感謝しました。

この時代、「旅」はただの娯楽という枠を超えて、いまや「人と人との絆を深める」役割も果たしていると思います。一緒に旅をする人と深める絆、その宿のスタッフと交わす会話で深まる絆。

AIの進化で2020~30年には、いまの職業の49%はなくなるという試算があるとも聞いたことがありますが、それでも無くならない職の一つが「旅館業」ではないでしょうか。大御所お二人から「宿は人なり」という言葉が出ていましたが、働くスタッフの力量によってその宿の価値は大きく左右されます。その為に宿の経営者はスタッフが楽しく働ける環境づくりに躍起になっているのです。


「ありがとう、あなたのお蔭で良い思い出が作れたわ」

そんな一言を頂戴するために、日々試行錯誤し、目の前のお客様の為に全力で働く。私たちの仕事は永遠に廃れることのない誇り高き職種だと思っています。

給与額や福利厚生も大事なのかもしれませんが、人生100年と言われる時代、やりがいのある仕事にチャレンジすることの方が人生が実り豊かになるような気がします。

金継で生き返る器

新門荘では器を割ったり、ヒビを発見したら報告書と共に私のデスクに現物を置いておくルールがあります。それは15年以上前に某旅館のオーナーに教えて頂いた「金継ぎ」を私がする為です。

「金継ぎ」とは陶磁器の破損部分を漆によって接着して、金で装飾して仕上げる修復方法です。茶道精神の普及もあり金継ぎに芸術的な価値が見いだされるようになった歴史もあります。

ただ、私が教えて頂いた「金継」は漆ではなく合成樹脂などを使用する一般的に普及している簡易的な方法です。

コツコツとしていた金継ですが、もう毎日のように破損の器がデスクに置かれるようなり、併せて私の時間も限られており「金継ぎ待ち」の器が段ボール3箱以上も溜まっていました…


幸いなことに、昨年末から「金継ぎ」に興味のあるスタッフが4-5名立候補してくれて、一緒にやっていくことになりました。しかし、それでも量が多すぎる!我流の金継方法ですが、もっと良い方法があるのでは?!と思っていた矢先に見つけた「金継」のワークショップ! これやぁ~!!と意気込んで出かけてまいりました。


さて、ながーい前置きでしたが、このワークショップ。実はFacebookで見つけました。数人くらいかな?と思っていたら、なんと14名も参加者が居て、定期的に開催されているワークショップだと知りました。過去には料理屋のオーナーさんや、他府県からわざわざ足を運ぶ人もいたそうです。


私が持参した器は4点。見事な破損状態。でもどの器も私が利用用途をしっかりとイメージして購入した思い入れのあるものばかりです。 大きく欠けた部分は、粘土のような合成樹脂をコネコネしてパテ代わりに接着しました。一つの器を接着している間に、その前にパテを充てていた器はほぼ完全に接着されています。その後やすりで滑らかにします。

続いて細い筆に金粉を付けてなぞっていきます。私にはこの作業が一番緊張しました。使い慣れない細い筆。金の分量の多少で、完成度が左右されるからです。


10年前に和モダンタイプの客室で、セルフコーヒー用に購入した清水焼のコーヒーカップ。取っ手がきれいに割れ落ち、もはや再生不可能かと思われていました…。高価な物なので、絶対に修復する!という強い熱意(怨念?)が入り、見事完成。

お造りからデザートまで、幅広く料理を盛れると確信し、気に入って購入した小鉢も、むしろ金を塗らなければどこが欠けたのか分からないくらい綺麗に接着できました。青い絵柄があるので、いまや金がアクセントになっています。

高山寺の鳥獣戯画の湯呑。大きくかけた破片が見当たらず、パテで穴を埋め、やすりで綺麗に丸みをつけました。他のご参加された方から絶賛を受けた金継ぎの完成品。

今年の1月から朝食内容もガラリと変わったので、もう使わないかもしれませんが、以前は朝食用の松花堂弁当箱に出汁巻を盛って入れていた中器。これも満足のいく金継ぎの仕上がりです。

2時間で4点の修復。
私はこれまで、(破損の器が多すぎるのもあり)一つの行程をまとめて行っていました。たとえば「よし、今日は接着だけするぞ」「今日はヤスリだけ」などのように。そのため、完成までかなりの日にちを要していました。(毎日金継作業に時間を割けるわけではないので)

しかし、たとえ修復する器が多すぎても、一工程をまとめてするよりも、小一時間で数点仕上げていく方が逆に効率が良いことが分かりました。また、これまで金箔をソロリソロリとかなりの時間を要して貼っていましたが、筆に金粉を付けて修復する方が早くて綺麗な仕上がりになることも分かりました。

ドキドキしながら初めて「ワークショップ」なるものに参加してみましたが、低予算でしっかり学ぶことができました。

社内では「金継ぎした器は数がどうしても足りない時に料理を盛ってほしい」としていましたが、綺麗に修復された器を見ると、簡単に棄てずに物を大事にしている精神を臆することなく、ぜひともこの器に料理を盛って!とお願いしたくなりますね。

京都府主催のセミナーに登壇

実はわたくし、先日 畏れ多くも京都府主催の「宿泊業の業務効率化を考える」というお題のセミナーに登壇しました。

20名くらいの参加者があれば十分!と本気で思っていたのに、前日に知らされたご人数は倍の40名! ご参加くださった皆様 寒い中、貴重なお時間を割いていただきました誠に有難うございました!

今回は
①「働く環境の改革」で生産性向上
②「館内の整理整頓」で生産性向上 
③「マルチタスク化」で生産性向上
とテーマを決めてスライド60枚近く作りました。

年が明けて猛スピードでこれらの資料を集めて、作成しましたが、
私がこうして偉そうに登壇できるのも、私のやり方に理解して、協力してくれるスタッフが支えてくれているおかげです。

私はいわゆる「よその釜の飯を食べたことが無い」人間です。学生時代のバイト以外で務めた経験がありません。昔はそれを指摘され、今さらどうしようもない立場に狼狽したこともありましたが、その置かれた自分の立場をバネに、スタッフの気持ちに寄り添いたいと常に自分を戒めてきました。


だから人はどういう心理で働くのか、上司の指示に従うのか、迷うのか等、時間の許す限りセミナーにも参加して、私自身の人間力の向上もさることながら基礎的な知識の増強にも積極的に取り組んできました。

旅館はひとりの能力が突出していても、成り立ちえない商売です。表も裏も問わずここで働く人たちが一丸となり、お互いが助け合うことではじめて、今宵お越しいただくお客様をお迎えする商売です。

チームが一丸となる為にも、その一人一人のパフォーマンスを引き上げておくことは私の大事な役割だと思っています。


こういう登壇の機会を頂くたびに痛感することは、いま他人に発信していることは私の経過報告であって、まだまだ道半ばであるという事。

商売である以上、利益も出さなきゃいけない。企業として存在する以上、倒産させずに継続していかねばならない。

林立する宿泊産業の中生き残っていくためには、常に「変化」「変化」の連続です。だれだって変わらずに安穏と暮らすことが幸せに感じるけど、今の時代はそうしていたらおぼれ死んでしまう。

私の中ではいつもいつも焦りと不安が交錯していて、いつもいつも現状を打開しなければ!という思いでいっぱいです。去年よりもよくしなければ、先月よりもよくしなければ…  そんなもがき苦しむ中で、スタッフが建設的な意見を出して現場を頑張ってくれる様をみると、光が見えるように嬉しさでいっぱいになります。

向上心だけは人一倍あります。自分に自信がつくまで、頑張っているワタシ!と自負心が持てるまでがんばるぞ!


10日連続? 40度近い京都市内

もうこの暑さで溶けそうです。
夕方になっても気温が下がらない、風は吹かない。
一歩外に出ればサウナ状態…

今年はどこも猛暑で、多くの方が熱中症で亡くなり全国を見渡せば2万人も救急搬送されたとか。

こんな暑い時は事務所でカタカタパソコン作業が理想ですが、
先週から昨日まで外出続きで、忙しくしていました。

まず週頭には、京都産業大学の授業二コマに参加。
200名近い学生が受講していた授業で、グループに分かれる形式で70名程の方と
「キャリア形成」について話をしました。

私以外にも10数社の企業の方々もお見えでしたが、
喋ることに一生懸命になりすぎて写真を撮り忘れた(汗)

 

実は私も、20数年前に京都産業大学の法学部を受験。
合格通知も頂きましたが、その後 大阪の大学へ。

まさかこのような形で再び大学内に足を踏み入れるとは思いもよらず、
頂いた機会にとても胸が躍る思いでした。

 

つづいて、私自身のセミナー受講。
兵庫県の香住で宿をされている「民宿かどや」のオーナーご夫妻が講師。

同業なのに、とても丁寧な販売戦略などをブログでUPされており、
宿を経営していく上での考え方や、自社の魅力を発信する手法など
とても賛同することが多く、
私はブックマークしていて何年も前からストーカーのようにブログを読み続けています。
今回は 「google マイビジネス」について教わってきました。

コムサポートオフィス ガクの視点
下の写真もこちらのブログから拝借しました。

 

つづいて、和歌山県は加太にある「ひいなの湯」の女将さんが
お嬢さんの成人式の振袖をお仕立てに わざわざ京都に来られるとのことで、日中お供しました。
私も何か月ぶり??に、まともなランチを取りました。

この方のブログも何年も前からブックマークしていて、
同業ゆえに容易に想像できるご苦労や、3人も子供を育てながらの旅館業に奔走されているお姿を
いつも拝読しては時には涙し、大いに励まされ、鼓舞され、背中を押してもらっています。

ひいなの湯 若女将ブログ

 

そして、外出続きの締めは神戸大学。
今期から「日本旅館協会」の総務委員に選出いただきました。
委員メンバーの持ち回りで、関西の各大学で旅館の魅力を伝える活動を行っています。

今回は私が登壇するわけではなかったのですが、神戸まで出向きました。
この秋にも一コマ授業に登壇する機会を頂戴するので、
同業の方々の講談も拝聴しておけば、自身のブラッシュアップになるかと思いまして。

さすが神戸。坂・坂・坂…続きでタクシー移動でも酔いそうでしたが、
講義内容をパソコンに打ち込んでいる学生や、真剣に耳を傾ける学生を目の当たりにし、
なんだか私の偏差値も上がったような錯覚 笑

 

さぁ、今日は久しぶりに会社のパソコンに向かったぞ~!と思いきや
もうあと一週間で7月も終わり!?

やること山積、猪突猛進で乗り切るぞ!

 

 

業界雑誌「HOTERES」の取材

梅雨時期とは思えない良いお天気だった今週月曜日。
京都市内から車で一時間強にある有馬温泉まで出向いていました。

「有馬グランドホテル」さんにて業界雑誌「HOTERES(週刊ホテルレストラン)」の取材を受けるためです。
他に大阪の「不動口館(ふどうぐちかん)」の河原さん、有馬温泉の「銀水荘 兆楽」の當谷さん
京都の「松井本館」のももちゃん、がいらっしゃいました。(写真右から)

旅館のインバウンドの状況や、人手不足に対する取組み、旅館の求められる姿など質問を頂き
4人それぞれが回答するのですが、他のお三方のお考えやご意見に大きく頷いたり、感心したり。
地域は違えども、たゆまない努力されている姿勢に 私もとても鼓舞されました。

7月四週目に掲載板開けるようですが、このホテル向けの雑誌ですが
業界の方々に「旅館」にも興味を持っていただければ幸いです。

 

 

ところで 私はプライベートで5-6年前に有馬グランドホテルさんを訪ねましたが、
当時 宿泊した部屋を出入りしてくれた客室係が男性で驚いたことを覚えています。
清潔感溢れるテキパキ動いてくれる男性スタッフを目の当たりにした時に
「あぁ、そうだ。‵仲居=女性’の枠にとらわれなくてもいいんだ!」と強く背中を押してもらい、
翌年 新門荘では初めての男性スタッフが客室係として入社するに至ったという経緯があります。

 

 

 

脱線しましたが、取材後は有馬グランドホテルの梶木社長のお計らいで
半年前にリニューアルなさった中の坊瑞苑の施設や新しくできた茶房(カフェ)も見学させて頂きました。

素晴らしい施設に、ついつい投資額や銭勘定をしてしまう自分に嫌気がさしましたが、
お客様目線のメンテナンスやスタッフへの細やかな環境づくりなど、すぐに実践できそうなことも含めて
とても勉強になることが多いです。

取材のお声掛けいただき、ノコノコ出向いたはずなのですが
ちょっとした勉強会の後のように清々しい気分で京都へ戻ってきました。

今年に入って、対外活動がとても増えてきましたが
お客様目線・働き手目線を問わず「旅館」という業界の認知度を高めるため、
また「旅館」という一つの文化を守っていくために地道に続けたいと思っています。

「若おかみは小学生!」アニメ化されていた

今から10年前の2008年2月25日に「若おかみは小学生!」という
当時130万部の発行部数を誇る文庫本についてブログを書いていました。

講談社から発行されている児童文学ですが、
全20巻刊行され、今は300万部を突破したようで
今年2018年4月からアニメ化されてTV放映されています。

ブログを書いたことも忘れていた私は
たまたまTV番組表を見て「ほぅ!アニメ化されたのか!」と自分の子供の為に録画しました。
(TV東京 日曜あさ7:14~)

私が旅館に従事しているという理由ではなく、
我が子は今「おばけ」や「幽霊」「怪奇現象」に嵌っていて、
幽霊が出て主人公の「おっこちゃん」を
サポートするシーンのある「若おかみは小学生!」に食いつくだろうと思ったからです。

そんなクダラナイ理由で録画しましたが、案の定わが子は夢中でTVを見ていました。
旅館という舞台ではなく、「幽霊」が出てくるアニメということを喜んで(^^;)

両親を交通事故で無くした「おっこちゃん」は幽霊のアドバイスを受けながら
お祖母さんの旅館「春の屋」を切り盛りしていくストーリー

過去ブログの抜粋を載せますが、
しっかりしたストーリー性があり「旅館」を知らない若い子には、
この職種を知ってもらうチャンスだと思います。

 

<一部抜粋>



我々旅館業の仕事や背景が鮮明に書かれています。
おまけに主人公の「おっこちゃん」は

いつも「お客様に喜んでもらおう」と奔走しています。

これは旅館業のみならず宿泊業、しいてはサービス業の基本理念です。

それぞれの会社には「経営理念」というものがあるでしょうが

おそらく多くの企業では「お客さまに満足していただく」という内容が

含まれているのではないかと思います。

「経営理念」とは何か困難にぶち当たっときの問題解決の糸口であると

私は考えています。行き詰まった時は経営理念を

振り返ると自ずと答えが見えてくるとさえ考えているのですが、

「おっこちゃん」は12歳になったばかりだというのに
それが染みついていいるようです。
 -中略ー

旅館は日本文化、和を凝縮した施設です。

これからおそらく畳を知らない、布団で寝る事を知らない、

他人に干渉されない生活を普通とする子供達がたくさん増えてくるでしょう。

それが悪いとは思いませんが、

日本の素敵な文化に浸ることを推進するような、

また自分の生まれ育った国の伝統を誇りに生きていけるような子供達が

増えてもらうには身近な「おっこちゃん」に宣伝してもらうのは
良い提案だと私も賛同します。

今年の9月には映画化もされるそうです。

「アヌシー国際アニメーション映画祭・コンペティション長編部門選出決定」されたそうですが、
なにやら「若おかみは小学生」は私の知らないところですごいブームなのではなかろうか…

私の子供の頃は「それいけ!ずっこけ三人組」「クレヨン王国」が流行っていて
読み漁りましたが、この「若おかみは小学生!」も同様なのかしら。

とにもかくにも、日本の伝統文化のひとつとして「旅館」を知ってもらうには
文庫本で大ヒットした経緯もさることながら、
アニメ化されたことで輪をかけて広く知って頂ける機会になりますね♪

セミナー三昧、インプットの時期

2回にわたってブログに投稿したセミナーは三回続き でした。

先日はその最終の三回目に参加してきました。

主催の京都府と、
メイン講師の日本生産性本部、近藤幸雄氏のご好意によって
前回救急で運ばれてしまったために話せなかった続きとして
10分強のお時間を頂戴することができました。

おかげで、最後のくくりとして残りのスピーチを終えることが出来ました(TT)/

さまざまな形態の宿泊施設が参加してたのですが
ありがたいことに、私の前回のスピーチに関心を持って頂けた生のお声を多々頂戴することが出来ました。

某施設の跡継ぎとして頑張っていて、
昨年の8月に入社したばかりの24歳の青年が
私の話を聴いて励みになったと仰ってくれました。

とても素晴らしい独自スタイルを貫いておられる施設のオーナーも
前回 私が伝えてことを早速取り入れたとのことで
社内のコミュニケーションが円滑化したと喜んでおられました。

いろんな方が、苦労や試行錯誤の連続に驚いておられましたが
当の本人の私は、これまでの旅館の仕事は苦労だと感じたことは全くないのです。
いろいろ叩かれながらも、目に見えて旅館が良くなっていく様子が面白かった。
自分が努力したことが、結果に結びつく「仕事」を生きがいに感じて今日に至ります。

私が入社してこの4月で17年目を迎えますが、
23歳になったばかりの当時の私がただひたすらに
「こんな旅館はいやだ!ここのスタッフが自分の友人知人を呼べる宿にしてみせる!」と
その思いだけを大きな目標にしてきました。

頭デッカチだったから たくさん頭を打って反省して、
お客様・スタッフ・同業者・業者の方から教わりました。

↓ 写真は、他府県の旅館が取り組まれたスピーチを聞きたくて、大阪まで出向いたセミナーの時のもの。

やはりどこの宿でも試行錯誤の連続の様子。こんなに素晴らしいと見聞きするお宿でもこんなご苦労があったのか…
そう思うと、私なんて10倍は苦労すべき山があるはず。一つ一つ乗り越えていかねば!と励みになります。


さて、この2・3月は宿泊施設向けのセミナーがとにくたくさん開催されていました。
関西のオフシーズンということもあるかと思います。
セミナーが、一日3つかぶっていたこともありました。

インプット三昧の時期でした。

今の自分に必要なセミナーに厳選して参加してきましたが、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という日本電産の永守会長の言葉を胸に
この4月以降はアウトプットの時期。

感化受けたことは、この新門荘に合うようにカスタマイズしながら
どんどん実践していきたいと思っています。

前回の続き、救急搬送後、驚愕の事実!

 前回の続き

実は前日から 月の物が始まり、いつもより多い出血で
着物が汚れないか心配していました。

当日は正装で臨むため、きちんと着物に袖を通しました。

私に与えられた時間は1時間30分。
ところがスピーチ20分後から、すぐさまトイレに駆け込みたいくらいの出血を感じていました。

どんどん出血している、でもスピーチを止めるわけにはいかない…

とうとう小一時間経った頃には、足元が血で染まっていました。
血糊で、自分の草履もくっついて持ち上がらない。
手前の台がなければ、参加者に丸見えだろうな…

いやいや、そんなことより
これはただ事ではないぞ、持病の卵巣嚢腫が破裂でもしたのか??
(あとで知らせれましたが、このケースは恐ろしい腹痛は伴うもののここまでの出血はないそうです。)

大腸がんでもなってしまったのか??

とにかくスピーチが終わったら、病院に駆け込もう…

ところが、あと10分で終わるというところで
とうとう貧血で倒れこんでしまいました。

私より先輩の女将さんたちが駆けつけてくださり、
アドリブで見事に、幕引きをしてくださいました。
さっと救急車の手配もして頂き、私乗ってきた車の事まで段取りを組んでくださり、
あぁ、さすが名旅館の女将さんだなぁ。。。と心から感謝しました。

さて、救急車で運ばれ、第一日赤に搬送。

お陰様で意識はすぐに回復し、ドクターの細かい質問にも的確に答えていました。
ただ、「妊娠の可能性は?」の重なる質問には「あり得ない!」と同じ回答。

しかしながら、結果的にはなんと流産を伴う大量出血だったのです…

「妊娠していますよ! ほら、胎嚢もある!」

えーーーーーーー!!!(@@) うそやん!!!!

夢でも見ているのかと目を白黒させて、モニターを見たもののそれでも信じられない。

私が第三子を身ごもっている???

でも、ドクター曰くここまでの大量出血なので、
じきにこの胎嚢も流れてしまうでしょう、とのこと。

その通り、翌日のかかりつけの婦人科での内診では
昨日見た胎嚢は、どこにも見当たりませんでした。

残念ですが、丸二か月も妊娠していることに気づいていなかったのです。
仕方ありません。むしろ、内臓系の病気でなくて安堵しました。

でも、そういえばここ一か月 稀に見る激務が続いていたとはいえ
やたらちょっとしたことでイライラしていたし、
恐ろしいほど眠気が襲ってきていたし、朝起きたら必ずエヅイテいました…

でも、頭の片隅にも「妊娠」のことがチラつかないものですから、
全く気にも留めていなかった…

二人目を取り上げてくださった、
かかりつけの先生にも「呑気ねぇ~」とあきれられてしまいました(^^;)

方々に多大なるご迷惑をかけたものの、翌日には普通に出社して細々と仕事をしています。
おかげさまで一週間をこえて ようやく出血も治まりました。

ただ残念なことは おろしたての着物が血まみれ,です。

いま悉皆に出していて何とか綺麗に仕上がるのを待っているのですが、
さすがに着物の下着の役割をする襦袢は、まるで血染めのように
真っ赤に染めあがっていまい再生不可能の返答が来てしまいました(TT)

…… 着物だけみるとまるで殺人現場のようでした

長いブログにお付き合いいただき 有難うございました。
今月はペースを落とし、ゆっくり過ごすことにします。
…と宣言したいけど、しわ寄せでやっぱりいつも通りの日常です!

健康一番! 感謝して日々を過ごします!

【追記】 直接面識のある方、あまり存じ上げない方まで
ブログやFACEBOOKをご覧になった皆さんから
本当に多数の方に温かいお言葉を頂きました。有りがとうございます。

 

ここでも労働生産性を上げる会議

世間では「働き方改革」や「生産性労働力の向上」などが一つのキーワードとして、
取組むことが風潮の一つになっているようですが、
ご多分に漏れず、ここ、新門荘でも取り組んでいます。

これは年初に掲げた私の目標の一つでした。

限られた時間の中で、アレヤコレヤとやる事山積で、
8月ももう終わりのこの時期にようやく着手するに至りました…

客室係主任と既卒3年未満の社員3名、私を含む計5名で
今日は3回目のミーティングです。

「修学旅行生、ご夕食をお部屋に提供する」というお題で、
まずは全ての行程を洗い出しました。

事前に「現在の業務を書いてこい」と一束渡しておいた付箋をペタペタとホワイトボードに…

 

非効率的な動きを見つけ、スタッフ間で統一されていない業務を見つけて改善していく。

必ずしも、「労働生産性を上げる=短縮できる業務を見つける」ではありません。

「衛生面を考えて、ここには力を入れよう!」
「効率よくするために、この備品を買い足そう!」
「この行程はお客様に失礼だから、こう改善しよう!」

2時間かけてたくさんの課題が見つかりました。

一つだけ改善しても前後との関係性を無視すると
徒労に終わることもあることが分かりました。

お膳ひとつ拭き上げるにも、個人差が大いにあることも分かりました。

始めはよく分からん、と言わんばかりに眠そうに聞いていたスタッフも
少し表情が変わってきたように思います。

ステップ1 業務を洗い出す
ステップ2 ムダに気づく
ステップ3 改善策を考える
ステップ4 標準化する
ステップ5 横入り対策
ステップ6 実行!
ステップ7 定着させる
ステップ8 振り返る  → そしてステップ1に戻る…

今日はステップ1-2と、部分的にステップ3まで。

この社内のプロジェクトがうやむやに流れてしまわないように
「毎週1回2時間」と次回の日時を決めて行っています。

ビフォー&アフターを見たり、創意工夫するのが好きな私は、
この週一回のこの日を楽しんでいます。

お問い合わせ

Tel075-561-8011