「はんなり」は言わない?

「はんなり」

…この言葉ほど、京都をイメージする代表的なキーワードでもあるにかかわらず
長年京都に住まう人間は使わないものはないと思います。



「はんなり」は「花なり」を語源とするらしく「華やか」な様を言う時に用います。


しかし、京都特集の雑誌などを見ていると誤用があまりにも目立ち
違和感を覚えるのですが、それでもこの言葉を使いたがるのは
この一語で、「京都らしさ」が一気に高まるからなのでしょう。


ある時「はんなりした空気が流れています」という某雑誌の一文を目にした時
思わず、え?!と読み返しました。


隣の写真はどうみてもただの町屋風景。
きっと「これぞ京都だ!」と説明したいがための曖昧な表記として
「はんなり」は便利なので、京都を‘イメージ’でしか知らないエディターが考えたのでしょう。


冒頭でも言いましたが「あの人はんなりした人やなぁ〜」や
「ここははんなりした処やなぁ」
など、まず京都人同士の会話に出てくる事はありません。


なんとも言えない落ち着いた上品さを持つような人対して
「はんなりした人」という言い方はできるでしょうが、
単に綺麗な人や人目を惹くような人には使われていると「?」と感じます。


同様に「はんなりした処」と言われて想像する情景は
賑やかな場所や単にしつらえが美しいだけであっては誤用であるわけです。



「はんなり」を使うには自分もその対象物がいかに価値のあるものか
知っていなければならないわけで、我々はおいそれと「はんなり」を言う事はありません。


そう、単に「華やかな」を適合するのではなく、
その「華やかさ」の奥にあるものをきちんとキャッチできる審美眼がない限り
簡単には使えない言葉だと思うのです。


「はんなり」=「華やかな」ではなく、≒「華やか」であって
その曖昧さが「京ことば」の利点だと思います。

体感!!京ことば | comments (0) | trackbacks (0)

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