女将のブログ

舞妓の小はるちゃん引退

いつも笑顔で、裏表のない可愛らしい性格で、
ウィットに富んだ会話上手な宮川町の「小はる」ちゃんが
先月末に舞妓さんを引退されました。

写真は花街を去る時に、関係者に三角形の「引祝」と書かれた和紙配り挨拶に来てくれます。
「小はる 改メ あかり」

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花街を引退して、本名の「あかり」さんに戻るわけです。

 

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つい最近、店出し(舞妓デビュー)で挨拶に来てくれたと思っていましたが、
あれからもう6年が経過していたのですね(@@)
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6年前はあんなに‘おぼこい’(幼い)印象があった彼女も
数年で、すっかり色艶のあるお姉さん舞妓になっていました。
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舞妓さんは店出しする前に、約1年間の修業期間がありますから
中学校を卒業してすぐに京都へ越してきて
7年ほど祇園界隈に住んでいたわけです。
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バックヤードの待ち時間の最中は、いつも文庫本を読んでいた彼女。
「本の‘におい’が好きなんどす。ちょっと変わってまっしゃろ」と笑顔が輝いていました。
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舞妓さんが終わったら、芸妓さんになるかと思いきやの引退。
誰からも愛されるとっても良い子だったので、ほんとに残念です(TT)
ご実家のある関東へ戻られていると聞きましたが、
身体に気を付けて素敵な20代を謳歌してほしいと思います♪
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17年連続でお越しくださるお客様

気付けば今月は全くブログを書いていないことになるところでした。
いつもアレも書きたい、コレも触れておきたい…とネタだけは頭に思い描きながら、前回の更新からひと月以上が経過していました。

さて、私は9月半ばに来られた女性グループのご予約日を心待ちにしていました。
こちらの女性グループは、私が旅館業に携わるようになったその年の まだ20代前半の若かりし頃から、年に一度必ず来てくださっている方々。

以前にもブログに綴ったことがありますが、当館では「祇園ときめきナイト」という格安で舞妓さんと会える夕方限定のプランがありました。
日曜日以外はたとえ2名様でも企画を実施していた時もありました。お客様からは大変喜ばれていましたが、あまりにも採算度外視のお得プラン過ぎて開催中止に至りました。

当時大学生だったお客様は、このプランに必ず来てくださっていて、社会人になると舞妓宴会でご予約をくださるようになりました。
某年には、ちょうどお客様のお一人がお誕生日で、舞妓さんがバースデーケーキを運んでくれるシーンは京都新聞にも取り上げて頂きました。

次々とご結婚やご出産をされて、いつも6名がお揃いになるわけではありませんが、同窓会のような形でここ新門荘で集まられることを楽しみにしてくださっているようで、私たちも仕事冥利に尽きます。

ご到着の数日前には、写真のような素敵なお花が届きました。
年に数回お送りする「新門荘通信」を楽しみにしてくださっていて、今年は当館が創業70年を迎えることや、この4月から私の肩書が「女将」になり、新たに「若女将」を就任させたことをしっかり記憶にとどめてくださっていていました。

本当に有難いかぎりで、私の持ち合わせるボキャブラリーでは、十分なお礼の言葉が出てこないほど喜びでいっぱいになりました。そして、頂いた立派なお花の立札を見て改めて感慨深くなったのです。

あぁ、そうか。

今年は平成から令和という時代に変わり、当館は創業70年を迎える年。私が「若女将」から17年を経て「女将」になり、素質を感じるスタッフを「若女将」を新任させた年。同時に社内体制もゴロっと変わり、(詳細は割愛しますが)私が本当の意味でストレスフリーになった年。

残っているスタッフが別人のように皆 本当に活き活きと仕事に励み、私は安心して彼ら彼女らに任せて新しいお客様をお迎えできる精神的なゆとり。
そして、こうして当館の事を思い出してくださるお客様に恵まれて、もういつ引退してもいいなぁと思えるようになりました。

…いや、まだ辞めませんけどね。( ̄∀ ̄)

京都市内は雨後の竹の子のようにホテルが林立し、完全な飽和状態。
これからが生き残りにかけて、お客様に選んでいただける宿で有り続けるように 真剣に仕事をしていかなければならないのです。
そう、腹帯を締め直して今年も残り3か月。精進してきます。

200名の昼食

先日は静岡県の某中学校様が約200名お越しになりました。
もちろん21室しかない新門荘でのご宿泊ではなく、お昼席だけのご利用です。

100名ずつに分かれて頂き、舞妓の京舞鑑賞や京ことば講座を聞いて頂く為に屋上へ。
この屋上は夏季のビアガーデンでしか利用しないので、もともとの座席数は60席。

レンタル椅子をご用意してスタンバイ!

 

 

舞妓さんは2名来てくれました。

一人はベテランの「小はる」ちゃん。今やもう所属する花街、宮川町で最年長になっているとのこと。

いつもニコニコ、フランクで裏表のない人柄の良さが滲み出ている素敵な舞妓さんです。
バックヤードでは黙々と読書。電子書籍やスマホ時代にとても良い習慣です。

もう一人は先月、舞妓デビュー(店出し)したばかりの「ふく典(フクノリ)」ちゃん。
まだまだ おぼこい(幼い)印象ですが、笑顔を絶やさず「おおきにぃ~」と常に低姿勢で、こちらもやはり印象の良い舞妓ちゃん。

見比べるとお分かり頂けるように、同じ舞妓さんでも上級生と下級生で着物や髪形など随分と違いがあります。
出始めの頃の舞妓は、できるだけ幼く見えるように。そして上級生になるにしたがって、大人っぽい印象が出るように…

200名の生徒様も無事に京都市内の観光にご出発なさって、我々もホッと一息。
心に残る修学旅行の一コマになっていれば有難いことです♪

 

 

平成最後の都をどり

昨日、実際の舞台を観ておいてもらいたいスタッフ3名と共に「都をどり」に行ってきました。

今年は「南座」で公演です。この会場での開催は67年ぶりだそうです。67年前と言えば昭和27年。戦後の復活公演以来という事です。「都をどり」そのものは明治5年に創始されましたから、戦中戦後の6年を除けば150回を超える歴史ある舞台ですね。


ポロポロ抜けていますが、平成14年以降の都をどりのパンフレットを置いています。「都をどり」の舞台に立つ芸舞妓は「祇園甲部」という花街に所属しています。このパンフレットには全芸舞妓の顔写真が載っていますが、平成14年頃と比べると興味深いです。この舞妓が今や立派な芸妓さんだ!とか、あの名妓はもう居ないなぁ~とか。

パンフレットの表紙は全て三輪晃久氏が描かれたもの。同じ桜でも様々な表情があります。

例年の会場である「甲部歌舞練場」の舞台には花道がないのですが、今回の南座では歌舞伎でよく見る一本の花道が。演者が舞台下に自動で下がっていくシーンなど、これまでの「都をどり」とはまた一味違った演出でした。

都をどりを初めて観覧した3名に感想を聞くと、「格式が高いイメージで難しいと思っていたが分かりやすい内容だった」との声も。なるほど「わらしべ長者」の話などの場面もあり、我々素人でも十分楽しめました。


今回会場に響き渡る「笛」がとても上手で、思わず誰だ?と番付表を調べると「紗月」さんという芸妓さん。彼女はとても芸事に熱心な性格な上に売れっ妓だと聞いているのでそれも納得。

数年前の都をどりで、素人の私でも分かるほどの「笛」が下手な舞台を見てズッコケたことがあるので、とても安心して舞台に見入っていました。(^^)

舞妓さん店出し(デビュー)

先日、突然馴染みの芸妓「ふく紘さん」がご来館。
出たての舞妓さんを連れていました。

そうです。舞妓さんデビューである「お店出し」のご挨拶として来てくれたのでした。

新しい舞妓さんは「ふく典(のり)」さん。
下唇だけ口紅をしています。おぼこい(幼い)感じがしますね。
中学卒業して、置屋さんで仕込という修業期間が半年~1年くらい終わったとして、おそらく16-17歳くらいでしょう。

ところで、芸妓のふく紘さん。
来てくれた時に思わず「また舞妓さん引いたん?」と聞いてしまいました。

すると「そうどんねん。もうウチ5人引いてるんでっせ」とのこと。

やっぱしぃ~ しょっちゅう挨拶来てくれてるような気がしてたわ~!
いやいやお目出度いこっとす。
女将さんから託されるということはやっぱりしっかりしたはるんや。

芸舞妓さんのフォーマルは黒紋付きですが、普段の宴会などでは華やかな着物をきています。
下の写真は10月ですね。
この時の舞妓さん二人は襟元が白色ですから、もう3年以上は舞妓さんしている上級生です。
なので、着物もわりと落ち着いた色味で地味ですね。


ちなみに、ふく紘さんは秋だったかに偶然テレビでも拝見していました。
その一週間後にたまたま新門荘の宴会に来てくれていて、思わず「テレビ見たでぇ~、えらい朝はやかったんちゃうん?」と聞いてしまいました。

「そうでんねん。あんときは朝4時に起きておこしらえしてたんです~ 
付き添い? そんなん居はらしまへん。一人で向かいましたわ~」とのことでした。

話しかけやすい彼女が来ると、ついついアレコレ喋ってしまいます。
そして、しっかりされているので ついつい同い年くらいに思ってしまうんですが、一回りも年下なんですよ。
私の勘違いもいいとこですね(^^;)

舞妓さん宴会シーンの写真撮影

先日、半日かけて社内で写真撮影をしました。
10年ぶりくらいに、当館の目玉企画商品の一つ「お座敷遊びプラン」の撮影をしました。

5-6年前にカメラマンN氏と知り合い、絶対に彼に撮影いただきたいと懇願していました。
お越しいただくのは1年半年ぶり。 前回の様子→「やっぱりプロ! 2017年6月19日
多忙な彼の日程を押さえるのに約2か月かかりました。

彼の仕事ぶりには、ほんと惚れ惚れします。
こちらの要望をしっかりヒアリングして、期待以上の写真を撮ってくださいます。
納品はこれかれですが、確認で見せてくださる写真がどれも素晴らしく
2か月待って良かった~♡と心が躍りました。

今回はこの「お座敷遊び」プランについて
お客様がこのプランをイメージして頂きやすいように、と
いう目的の為にWEBページをリニューアルします。

↑ なかなかこんなポーズで撮影されることはないですよ(笑)

↓ こんな角度から撮影した人は初めて見ました(笑)
実は、この映像向こう側に座るお客様の表情をも捉えているのです。

 

花街の「お座敷遊び」は、表現が下品かもしれませんが大人の王様ゲーム!
とっても盛り上がります。そんな活き活きしたシーンを撮って頂きました。

また、スタッフが働いているシーンも撮ってもらいました。
21室しかない小さな旅館ですが、スタッフは30名近く活躍してくれています。

「新門荘の愉快な仲間たち」

現在その半数以上は「マルチタスク」といって、一人何業務も兼任しています。
一日の数時間は客室清掃で、ポロシャツ姿。午後からの残り勤務は着物姿…

今後求人を掲載する際に、そんなリアルなイメージがより伝わるように…という目的のための撮影です。

料理の写真も15点近く撮って頂き、ほんとに盛りだくさんの撮影でした。
納品された素晴らしい写真の数々は追ってUPさせて頂きます。

 

 

「ブラタモリ」13巻に新門荘が載っていた!

根強いファンが多いNHKの「ブラタモリ

いつぞや「祇園」編が放映されていたそうですが、
私は見逃していました… そして、先日ふらりと本屋へ行った際にありました!!
「ブラタモリ」の最新刊が!!

 

目次の通り「京都・清水寺」「京都・祇園」「黒部ダム」「立山」の放映分が収録されています。

 

 

これはスタッフの分も購入せねば! と思いましたが、
ケチなのでカラーコピーして勉強会に使用することにしました。

 

高校の頃は「地理」の授業がどうも面白くなくて退屈に思っていましたが、
この番組のように『地形から歴史を紐解く』というアプローチはとても理論的で理解しやすいです。

 

特に当館から徒歩1分の距離の新橋・辰巳神社付近。

その小さな橋を四条通沿いへ抜けると、
雑居ビルがひしめき合っていますが、道が真っ直ぐではないんです。
ほんとにガッタガタ。

今まで疑問に感じたことも無かったけど、
「ブラタモリ」を読むと、なるほど!その謎も解けて、
この理由こそが祇園で花街が発展したことにも繋がるのです。

そして、ぺらぺらとページをめくると
「京都編」の最終ページになんと!「祇をん新門荘」の文字を発見!

「芸妓さん舞妓さんに出会いたいなら」という枠に掲載されていました!
いつのまに!! これには思わず二度見!びっくりしました(笑)

京都へ来られる方は是非 購読なさってみてください!
そして、58ページもご確認ください(笑)

 

このシーズンは修学旅行生と紅葉を楽しみに一般の観光客が訪れる京都ですが、
「ブラタモリ 13巻」を読んでから、定番の「清水寺」へ行かれると
人が多くてしんどいわ~… だけの思い出ではなくなるはずです(^^)/

やはり知識や薀蓄を知ってから、その先を訪ねると
旅の楽しさが増して、より思い出深くなりますね♪

 

 

 

 

 

舞妓ちゃん2名デビュー

京都の花街は5つに分かれています。

そのうちの一つ「祇園甲部」でお付き合いのあるお茶屋さんから、
舞妓さんが2名もお店出し(デビュー)することになりました。

市紘(いちひろ)ちゃんと、小奈都(こなつ)ちゃん。

この世界では、先輩芸妓の名前から一文字もらうことが慣習ですが

市紘(いちひろ)ちゃんは市有里さんから。
小奈都(こなつ)ちゃんは小芳(こよし)さんから。

…もしかして残っているかと探したら、ありました、ありました。
その小芳さんがデビューした時にお茶屋さんから頂いたもの。

そうか~ あれは2008年か。ちょうど10年前ですね。

そういえば、小芳さんも市有里さんも随分お会いしていませんが、
二人ともTシャツにジーパン姿の仕込さんからスタートしていたのです。
「おかあさん、おおきに」と初々しく訪ねてくれいていたのがつい最近のようですが、
二人は今やベテランの芸妓さんですね。

 

さて、新門荘からもお祝いを持参。
お茶屋さんの玄関には「目録」といって、おめでたい絵が描かれた大きな画用紙が所狭しと貼られていました。

 

ありました、ありました。
新門荘から出した「目録」が。

まもなく4月。
祇園甲部の芸舞妓さんたちは、京都の春の風物詩でもある「都をどり」の舞台で大忙しですね。

 

 

 

連続して小えんちゃん♪簪も変わりましたよ

先日は、千葉県の某中学校様が選択くださった
当館オリジナルの「食育プログラム」がありました。

その後は舞妓さん鑑賞会。

めずらしく通して私が生徒様の前に出てご説明しました。

舞妓ちゃんは宮川町の「小えん」ちゃん。

小えんちゃんは9月末にも来てくれていて、写真を撮らしてもらっていました。

舞妓さんの簪は毎月1日に変わります。
ひと月通して、同じ簪を挿しますが、
9月は「桔梗(キキョウ)」、10月は「菊」

ちなみに着物は、所属する置屋の女将さんが
ひと月分として2-3枚を出してくださるようで、毎日交代して着るようです。

小えんちゃんも 間もなく舞妓歴2年目を迎えます。
舞の最中に、控室からパシャリ。

お問い合わせ

Tel075-561-8011