女将のブログ

「京都らしい宿泊施設」表彰式

京都市が観光立国日本をリードする安心安全で地域と調和した宿泊観光の向上を目指し、
今年度(平成28年度)から「京都らしい宿泊施設表彰」を創設しました。

京都に伝わる伝統文化や心を継承や発展に寄与している「旅館」として、
70施設の一つとして、ここ ‘祇をん新門荘’ も選定されました。

あいにく私は不在で、この表彰式には弊館の社長と女将が出席していました。

面々をみると、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合に所属している人たちばかりです。

昨今は違法民泊やゲストハウスが林立しており、
京都市内でもあちこちで住民とのトラブルを見聞きします。

メディアでも違法民泊が犯罪に悪用されている悲しい事件が取り上げられていますね。

細々と京都で宿を商いとしてきた人間にとっては大変憤慨することもありますが、
さておき、まもなく創業70年を迎える ‵祇をん新門荘’ が、
お客様に喜んでいただける宿であり続けるように変わらず精進していきたいと思っています。

子供を抱える家庭では恐怖の冬が…

全国的にインフルエンザが猛威を振るっているようです。
小さな子供や受験を控えるお子さんが居る家庭では、
まさに戦々恐々!!

先日、預けている保育園で「○○組 インフルエンザA型 1名…」などの
掲示を見タ時に、青ざめました。

…とうとう来たか。

ひとたびインフルエンザに罹患してしまったら、
5日は登園禁止、イコール私も自宅軟禁状態。

まさに恐怖!!

今月末から来月いっぱいは、いつにも増して予定ぎっしり。
しかも自分の都合で動かせない予定も多々。
もし、そうなったらどうしよう…

と考えている矢先に、子供が熱を出して園を休む事態に。
幸いただの風邪だったようで、私も2日だけの自宅軟禁で済みましたが、
働くママにとっては、親子共に体調を崩しやすいこの冬は毎日がドキドキです。

さて、2日ぶりに出社したら2階の宴会場では
「ママ友プラン」のお客様がお越しでした。

バギーが廊下に並んでいて、とても微笑ましい(^^)
赤ちゃんの泣き声さえも心地いい。

「ママ友プラン」は大人気で、口コミだけで年間700人以上(子供含まず)も
ご利用いただいています。

私も上の子の時は、日常生活がいっぱいいっぱいで
少しずつ増えていくママたちから、たくさん情報をもらい助けてもらいました。

この当館の「ママ友プラン」で、つかの間の休息を取ってもらい、
ママ同士いっぱいお喋りして、ストレス発散になれば嬉しいですね。

今日は、広くお席をご用意することができたようで、
写真手前は、子供たちの遊びスペースです。

たくさんのママにご愛顧頂いているこのプランは
2月1日にリニューアルする予定です。

スタッフが集まって、あーしよう!こーしよう!と議論を重ねてきました。

実は、今日 私はこの会場の隣で、料理の仮写真を撮っていました。

若干ママ料理のお値段も下げて、さらにお子さんが喜ぶ料理を超安価でご用意します。
HPのママ友ページのリニューアルも進めています。
どうぞお楽しみに♪

どんな一年でしたか??

あと一週間もしないうちに2017年が終わりますね。

12月だけ締められる名古屋帯を探し続けて、何年も過ぎましたが、
今年はとうとう見つけちゃいましたー!!

完全に自己満足の世界ですね。
見えるか見えないかの帯揚げにも雪のモチーフ。

 

さて、みなさんにとって、どんな一年でしたか?

私は某占いでは「大殺界」ど真ん中の年回りで、良くも悪くも参考程度に占いは信じるのですが、
その狂瀾怒濤を彷彿させる文字に恐れおののき、この一年は慎重に行動してきました。(意外?!)

4月から日中はしっかりと仕事ができる時間がもてるようになり、
これまで山積していた仕事を着々を進めてきました。

接客サービスを向上させたい、社内の慣例化されているムダを省きたい…
その為には、労働環境を整理して、信頼できる正社員を増やさねば。

そこで夏ごろまでは、そこに重きを置いて動いていました。

落ち着いた晩夏から、今度は社内MTを重ね、入社3年未満のスタッフの意見も取り入れて
社内の労働生産性の向上の為に少しずつ動いて。

そんな地味な仕事の積み重ねが、いつの間にか社外に漏れて(?)
来年は京都府関連のセミナーや某大学で講演させてもらうことに。
こりゃ年明け早々から資料作りに追われるな。

 

そして、プライベートでは9月頃まで、ちびっ子の夜泣きで
毎日毎日睡眠時間は1-2時間おきに起される。
ほんとに肉体的に辛かったー…  よくこんな状況下で仕事してたなぁと自画自賛。

小学校と保育園と両方でバザー委員になり、仕事以外でも忙殺される毎日。
とにかく今年は忙しかったー!!忙しく動けるということは健康だからです。

健康こそが一番!ありがたいことだー!

そして今月。

お正月が終わったら、3日間休館するのですが
21室中、8室の入口・洗面所付近のリニューアル工事をすることに。

品番決めるので追われています。

 

本来なら、色柄や意匠などアレコレ考えることは一番好きなことなのに
発注〆切の期限に追われて、焦ってしまって若干苦痛な仕事に…
廊下と階段の床の張替で、これもどれにするか…
15年ぶりにタイルカーペットではなく、絨毯で張り替えます。

2色づかいで、且つ壁の色、踊り場の色、各部屋の踏込床の色…
いろいろトータルして決めました。

ちなみにあーでもない、こーでもないと考えに考えて
ようやく決めたメインの色が、欠品状態だと判明して、選定し直し(TT)

淡いピンクや赤系にこだわっていましたが、もう吹っ切れて思いっきり冒険することにしました。
なので、掲載した写真の色柄ではありません…

来月中旬にbefore&afterをご披露します。

そんなこんなでバタバタの年末。
皆さま、よいお年をお迎えくださいませ☆

 

 

 

 

茶道のお稽古 200年近く前のお軸拝見

今日は月に一度の茶道稽古がありました。
当館では直接お客様に接する機会の有るスタッフはもちろんのこと、
社長から調理場まで参加しています。

8月にNHKの「趣味どきっ!ー茶の湯 武者小路千家 残暑から初秋を楽しむ茶会」にもご出演されていた、
芳野宗春先生に 贅沢にも直接ご指導を頂いています。

秋から3名の新入社員が増え、今日のお稽古参加人数は14名。
宗匠がご用意くださったお軸やお花のご説明を受けて、割り稽古に入ります。

本日拝見したお軸は江戸期後半のもの。200年近く前のものだとのことです。
京都に都が移された794年以前から、京都には北部に「賀茂」氏、西の方面に「秦」氏が活躍していたようです。
その賀茂一族の方が書いた俳句。

こちらのお軸の表装も見ごたえたっぷりで、
金を泥上にして、スタンプのようにポンポンと和紙に押して出来上がった帯。水色の唐紙。
どちらもその技法は廃れてしまって、今は復元できないとても貴重な物。

 

一か月のうちにわずか1時間半のお稽古ですが、
背筋がシャンと伸びるような、適度な緊張感ある空間から
参加するスタッフが何かを感じて、何かを学び取ってくれる時間にもなればと願っています。

防火基準適合表示制度 金色に!

昨日、東山消防署へ出向きました。
「防火基準適合表示制度」通称「〇適(マルテキ)マーク」と呼ばれる表示の授与式です。

不特定多数のお客様を一晩泊める宿泊施設は、
特に防災に対して、厳しい基準をクリアする必要があります。

平成24年に死者7名も出した悲惨な広島県の某ホテルの火災後は、
より一層基準が厳しくなり、また同時に消防庁は「〇適マーク」を復活させ整備を進めることになりました。

昨今、違法民泊が世間を賑やかしていますが
防災に対してどこまで取り組んでいるのかは不明です。

当たり前でスルーされがちですが、タダで安全は手に入るものではありません。
施設側が多額のお金を費やし、建築基準法を順守している書類の作成や提出、
施設内には消防法に基づいた消防用設備を設置し、
万が一の時の為にスタッフの避難訓練の時間を割いているのです。

 

さて、「新・〇適マーク」制度になってから、当館もいち早く取得できるように取組み、
2年連続で授与されてきたので、3年目の今年は表示カラーが銀色から金色に変わりました!

意外にも、ここ東山区の施設で金色の〇的マークを授与された施設は、
わずか14施設だけでした。

古い木造施設の場合は、今の防火基準を満たすには厳しいと思われます。
スプリンクラーをつけるにしても何百万との出費になりますし、正直見栄えも悪くなります。

この辺りを考慮して、はなから諦めているところもあるのかもしれません。

いずれにせよ、この表示が金色に変わったところで
我々が取り組む避難訓練をはじめ、防災に対しての意識は常に持ち合わせていなくてはならないことです。

これからも粛々と取り組んできます。

お礼のお手紙は嬉しいです♪ その3

前回のブログを、ご宿泊くださった学校の校長先生がご覧になっていて
学校のサイトに添付してくださっていました。

重ね重ね有難いなぁーと思っていた矢先、
また嬉しいお便りを頂戴ました♪

大きなツルに驚きましたが、付箋で「中を見てね」と。
一枚ずつ開けていくと、先生始め生徒の皆さんからの
たくさんのコメント。

事前にご用意してくださっていたんですね。
こちらこそ、本当に「感謝」です(^^)

来月も引き続き全国の小学校・中学校・高校の生徒さんがお越しになる予定ですが
思いっきり京都を、修学旅行を楽しんでいただきたいですね。

私は旅の楽しみの一つは、現地の人との交流だと思っています。
すばらしい名所は写真に収めることができますが、
会話は形に残りません。でも、心に響くと一生忘れない物です。

だから、スタッフには
「お客様と積極的に会話を持つように」
「コミュニケーションをとることは仕事の楽しみの一つであり、お客さまの思い出にも残るよ」とよく伝えています。

もし、新門荘をご利用されるの如何に問わず、
このブログをご覧になった方は、旅の思い出を深めるために
現地の方との会話を持ってほしいと思います。

気難しく考えずなんでもいいんです
「このホテル/旅館はいつできたの?」
「お兄さん/お姉さんはどうしてこの仕事に就いてるの?」
「京都の良さってなんですか?」……

 

ところで「甲子園に出るから見て下さい!(I君)」という一文が…
あらま!楽しみですね!

M市立第●中学校の皆様のご活躍を心から願っております♪
ご宿泊いただきまして誠に有難うございました!

お礼のお手紙は嬉しいです♪ その2

修学旅行でご宿泊された生徒さんたちが
ご出発時に私たちにメッセージを書いてくれたり、
折り紙をたくさん折って、お部屋に残してくれていました。

出社した時に、デスクに置いてありましたが
思わず笑みがこぼれます。

「料理が美味しかった」
「見えないところでたくさんお世話してくれて有難うございます」
など、嬉しい言葉がつづられていた中で、

「京都に良い印象を持った、また来たい」

という一文を発見。

これぞ京都で旅館を営む最大の目的であり、
そう思っていただけることは最高の喜びです。

修学旅行生のみなさんは、将来の京都旅行客のリピーター様。
心温まるお手紙は、私や新門荘のスタッフにとって大変な励ましになります。

スタッフが目を通せるように、私は一枚ずつ広げてセロテープで繋げました。
今は事務所内に貼りだしております。
N区立第●中学校の皆様、ありがとうございました!!

桂春之輔改め 四代目桂春團治襲名記念 祇園公演その3

さて、いよいよ大トリの桂春之輔改め「四代目桂春團治」さんが登壇される前に、
京都の和菓子処「仙太郎」さんの竹筒羊羹とオハギで一服…

この和菓子のご提供も、お客様にとても喜んでいただけました。

水羊羹は8月末までの商品だったそうですが
「仙太郎」さんに無理を言って、用意してもらいました。

そして、ついに登場!
演目は「死ぬなら今」。

そう、春之輔さんの得意演目の一つです。
今回の公演の初っ端を切ってくれた桂咲之輔さんは、
この「死ぬなら今」を聞いて春之輔師匠に弟子入りされたわけです。

18:00に始まった公演も19:40頃には終わり、
ご希望のお客様は、玄関ロビーの金屏風の前で春之輔さんはじめ、
出演された皆さんと記念写真を撮って帰られました。

最後の最後に我々スタッフとも一緒にパチリ~!
私たちにとっても、とても思い出深い一日となりました。

この後、足洗いと称してご出演の皆さんを招いて、某ホテルのバーで打ち上げが有りました。
私は挨拶を兼ねて、ほんの15分程だけ在席して帰ったのですが、

その時に春之輔さんが
「こんな小さい会場で(落語を)やったんは初めてですわ!
せやけど、お世辞ちゃいまっせ! ほんっまに、しやすかった!」と、仰っていたそうです。

なんと!なんと、嬉しいお言葉。

お客様は大喜び、出演者も気持ちよく登壇してもらい、私たちも達成感でいっぱい。
これぞ、「三方よし」!

ここまで、大きなイベントは後にも先にも今回だけかもしれませんが、
「お客様に喜んでいただく」というサービス業の基本を、文字通り「体感」し、
原点に戻った気持ちでいっぱいです。

 

桂春之輔改め 四代目桂春團治襲名記念 祇園公演その2

さて、前回のブログの続きです。

18:00ちょうどに噺家さんたちが壇上に。
お一人目は華々しく「桂咲之輔(サキノスケ)」さんが!

なんと京都の立命館大学出身。インテリ落語家です。
今公演の主役「桂春之輔」さんの「死ぬなら今」を聞いて、魅了されてこの世界に入門されたそうです。
(ちなみに、この日春之輔師匠の落語も「死ぬなら今」でした!)

途中、会場の電気が暗くなってしまうトラブルがありましたが
さすが、プロ! それさえも巧く笑いに変えて一瞬で会場の雰囲気を掌握されていました。

続いて、「桂勢朝(セイチョウ)」さん
時事ネタで、とても分かりやすく、廊下をウロウロしていて、話の前後は知らずとも、
ふと耳に入った私も思わず吹き出してしまいました。

会場外でも、気さくでとても親しみやすい方でした。

 

続いて、もっと気軽に落語を楽しんでほしいと「パペット落語」を考案した「笑福亭鶴笑(ショウカク)」さん。

あいにく私は完全にバックヤードに下がっていた為、
撮影をした、切り絵をされているこのシーンしか知りません…

パペットは出てきていたのかしら。
海外でも活躍されて、ボランティアにも力を入れられています。
今や「パペット落語」は厚生労働省認定の児童福祉文化財になっているようです。

 

そして、歌舞伎の連獅子で毛ぶりをする鬘を被って登場された「京次郎」さん。

無形文化財にも指定される日本古来の古典奇術「和妻」にも独自の演出を取り入れ、
現代の若者や海外の方にも楽しんでいただけるような演出。

突然手から火が灯ったり、次々と和傘が出てきたり…
目の前でこんな素敵なマジックが見られるとは~ 
…私も最初から最後まで見たかった(><)

 

 

ところで、ジーパン姿でスーッと入館された時は、もちろんお化粧前なので、京次郎さんとはつゆ知らず。
あとから、あ~!お化粧前の写真を撮らしてもらえばよかった…と悔やみました。

終盤、舞台裏に来てくれたお客様の一人だった芸妓の「佳つ江」さん
一緒に撮らしてもらいました♪

桂春之輔改め 四代目桂春團治 襲名記念 祇園公演-その1

9月3日(日)予定通り「桂春之輔改め 四代目桂春團治襲名記念 祇園公演」が行われました。

ほんの3週間前の告知。こんな間際で動き出して席は埋まるんだろうか…
そんな大きな不安を他所に、おかげさまで満席になりました。

私たち以上にお客様の方が不安になっておられたかも。
「え!?こんな小さい旅館で一流の噺家を読んで寄席が出来るの?!」と。

いやいや、皆様のご期待を良い意味で裏切るように
全ての準備を整えてお迎えしました。

たくさんのお花を頂きました。所狭しと、綺麗な花々でお出迎え。

 

17:00には40名様お揃いでした。
職人が手間暇かけて丁寧に作った食事を召し上がって頂き…

いよいよお囃子の音と共に噺家さんの登場です! 【明日へ続く】

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Tel075-561-8011